- 不整脈とは
- 不整脈の種類一覧
- 不整脈の原因はストレスや
自律神経の乱れも - 不整脈の原因となりうる生活習慣
- 不整脈の症状チェック
- 不整脈を放置すると突然死の
可能性も? - 不整脈の検査と診断
- 不整脈の治療
不整脈とは
心臓は4つの部屋に分かれており、それぞれの部屋が動くタイミングは決まっています。その為心臓内に発電所があり、部屋の中には電気の回線が存在します。発電所から出た電気がその回線を回る時に部屋が動きます。
電気の回線に不具合が生じ、回線が流れにくかったり、異常な電気回線がある、異常な発電所がある際にいつもと違うタイミングで心臓が動きます。それらの病気の総称を不整脈といいます。
脈が速くなり動悸を感じる。脈が遅くなり失神やふらつく。脈が飛ぶなどの症状が出現します。不整脈は種類が多く、生命の危険があるものや経過観察でいいものまであります。
実際に自覚症状があった場合、その不整脈を特定しなければいけません。異常を感じたらすぐに医療機関を受診してください。
不整脈の種類一覧
不整脈は、心拍の状態によって以下のように分類されます。
頻脈性不整脈
頻脈性不整脈は、心拍数が毎分100回以上と異常に速くなる不整脈です。
異常な発電所があったり、電気の通り道がつながっていたりすることが原因です。
主に心房細動、発作性上室性頻拍、心室頻拍などがあります。
特に心室頻拍や心室細動は致死性不整脈と呼ばれ、緊急の対応が必要です。
徐脈性不整脈
徐脈性不整脈は、心拍数が毎分50回以下と異常に遅くなる不整脈です。
電気刺激が発生しない、もしくは電気の伝達が不十分であることが原因です。
洞不全症候群や房室ブロックなどが代表的です。
期外収縮
期外収縮とは、正常な場所以外から電気刺激が発生することで生じる不整脈です。その電気刺激の影響で心臓が動きますので脈がとんだり、乱れたりするという自覚症状が生じます。一般人でも1日に数回出現している不整脈です。電気刺激の出現する場所により心房性期外収縮や心室性期外収縮の2つにわけられます。
健康な人でも発生することがありますが、基礎心疾患を持つ人では心室細動の引き金となることもあります。
不整脈の原因はストレスや
自律神経の乱れも
不整脈は心臓の病気だけでなく、甲状腺ホルモンの異常や電解質バランスの乱れ、ストレスなどによっても引き起こされます。
生活習慣病や薬の副作用が原因となることもあります。
異常を感じたら、医療機関を受診してください。
不整脈の原因となりうる
生活習慣
- 過労
- 喫煙
- 不眠症
- 過度の飲酒
- 肥満
- 運動不足
- ストレス
- 心臓病の家族歴がある
不整脈の症状チェック
不整脈の症状は以下の通りです。
- めまい、ふらつき
- 立ちくらみ
- 失神
- 歩いた時の息苦しさ、気分不良
など
不整脈の種類別症状
頻脈性不整脈
心拍が速くなり、胸の不快感や動悸、吐き気、冷や汗、意識消失などの症状が出ることがあります。
徐脈性不整脈
心拍が遅くなり、全身に送られる血液量が減少します。
そのため、息切れやめまい、ふらつきや失神の症状が出ることがあります。
期外収縮
自覚症状がないことが多いですが、脈が飛ぶ、脈の不整、気分不良が現れることもあります。
不整脈を放置すると
突然死の可能性も?
不整脈を放置すると突然死に繋がるものもあれば、長期間放置する事で心臓の機能が低下して起こる心不全や更には脳梗塞などの血栓症の原因となる不整脈も存在します。
不整脈の検査と診断
問診
どういった症状か、発症のタイミング、頻度を確認します。
心電図
身体に電極を取り付け、心臓の動きを記録し、脈の乱れを調べます。
24時間ホルター心電図
発症頻度が多くない場合に、1日中心電図を装着する事で波形を確認します。
不整脈の発生の有無、発生する時間帯や持続時間、性状を確認します。
運動負荷試験
不整脈の中には交感神経が優位になった際に出現する不整脈があります。
運動する事であえて不整脈を誘発され、それを記録し検出します。
心エコー検査
心筋梗塞などの心疾患の影響で不整脈が出現する事があります。
その為不整脈次第では心機能をチェックします。
心臓電気生理検査
カテーテルと呼ばれるストロー状の機材を挿入して心臓内部の電気信号を記録します。徐脈性不整脈、頻脈性不整脈ともに詳細な原因の特定が可能で、そのまま治療に結び付ける事もあります。高次機能病院にて入院にて検査を行います。
心臓CT・MRI
基礎心疾患に伴う不整脈の場合、心疾患を特定し心疾患自体の治療を行います。
その為冠動脈を見る目的のCT検査やMRI検査を行います。こちらも高次機能病院での検査になります。
不整脈の治療
不整脈の治療方法には薬物治療、カテーテルアブレーション治療、ペースメーカー、植え込み型除細動器などがあります。
疾患によって、また、患者様の年齢や活動力を考慮して治療方針を決定します。
薬物療法
心拍数を減らす薬物や不整脈自体の発生を抑制する薬物を使用します。また心房細動などの不整脈では心臓内で血栓が発生し、脳梗塞などの血栓症を来す事があるため、血栓を作らない様に抗凝固療法を行う事があります。
カテーテル
アブレーション治療
カテーテルを使い、不整脈を引き起こす異常な電気信号の回路、異常な電気信号の発火点を焼灼・冷凍凝固します。年々治療成績が向上しているため治療適応の範囲が広がっていっています。
ペースメーカー治療
徐脈性不整脈はペースメーカーを植え込み、不足している電気信号を補います。
近年ではリードレスペースメーカーと呼ばれる侵襲度が低いペースメーカーもあります。
植え込み型除細動器
(ICD治療)
疾患によっては薬剤で致死的不整脈を抑制する事が困難なケースがあります。その場合不整脈が出現した際に突然死を予防するために電気的除細動がついたペースメーカーを植え込む事があります。このペースメーカーを植え込み型除細動器(ICD)といいます。