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虚血性心疾患

 

がんに次ぐ死亡率
「虚血性心疾患」とは

がんに次ぐ死亡率「虚血性心疾患」とは虚血性心疾患とは、動脈硬化の影響で心臓の血管(冠動脈)が狭くなったり、閉塞する事が原因で心臓の働きを低下させる病気の総称です。血液の流れが悪くなり胸に痛みや圧迫感が発生する狭心症や、冠動脈が詰まって心臓の筋肉の一部が壊死する心筋梗塞があります。

虚血性心疾患の種類

虚血性心疾患には大きく狭心症と心筋梗塞があります。

狭心症

狭心症とは冠動脈が何かの影響で狭窄を来してしまい心臓への栄養が少なくなる病気です。
病気の原因は動脈硬化による物理的な狭窄、タバコや不眠などの精神的なストレスが影響して血管が痙攣して生じる狭窄など様々です。特に動脈硬化の影響で生じるものについては運動をした際に発生する事が多いです。
発生してから安静にする事で数分から10分程度で症状は落ち着きます。
狭窄する場所や狭窄の程度では下記の心筋梗塞の様に心筋の障害に至る可能性もあります。

心筋梗塞

心筋梗塞は、心臓の血管が完全に詰まってしまい、酸素や栄養を心臓に届けることができなくなります。
心臓の筋肉(心筋)が壊死し、強い胸の痛みや呼吸困難、冷汗などの症状が出現し症状は長時間持続します。壊死してしまった心筋はその後改善しない可能性が高く、発症してから速やかに血管の閉塞を解除する必要があります。また、糖尿病を持っていたり、年配の方は痛みに対する神経が鈍くなっており、知らない間に心筋梗塞になっている事もあります。その場合は健康診断の心電図で変化を言われたりする事で発見されます。
心筋梗塞は命に関わる危険な病気です。

狭心症と心筋梗塞の違い

狭心症は一時的なものですが、心筋梗塞は心筋が壊死し、心筋障害がその後生涯残存する可能性があります。

虚血性心疾患の原因

虚血性心疾患は動脈硬化やタバコが原因とされています。

加齢や生活習慣病による動脈硬化

加齢や生活習慣病によって動脈硬化が起こると、心臓の血管内に悪玉コレステロールが溜まり、プラークと呼ばれる脂質の塊を形成します。その影響で血液の循環が悪くなり虚血性心疾患が引き起こされます。

喫煙

動脈硬化はタバコに含まれる有害物質で増悪します。それだけでなく、冠動脈を含む全身の血管の痙攣、硬化を引き起こし血管痙攣による狭心症の原因にもなります。

虚血性心疾患の症状

虚血性心疾患には、次のような前兆があります。

虚血性心疾患の前兆

このような症状が現れた場合は、虚血性心疾患の症状かもしれません。
緊急性を要する可能性があります。早めに受診しましょう。

  • 胸が痛い、絞めつけられるような症状がある
  • 左肩や腕、顎や肩に痛みが放散する
  • 食事に関係なく胃の辺りが痛くなる事がある
  • 痛みが数分でおさまる
  • 健康診断で生活習慣病を指摘されており、今までなかった心電図異常を言われた

虚血性心疾患で
突然死の可能性は?

虚血性心疾患で突然死の可能性は?心筋梗塞は心筋壊死に至る疾患です。閉塞する場所によっては非常に広範囲の心筋の障害を来し、その影響で突然血圧が低下したり、生命の危険がある不整脈を突然発症して突然死に至る事があります。 
現在、心疾患は日本人の死因2位であり、今後更に増加する事が予想されています。 激しい胸の痛みに襲われ、命に関わる危険性があります。 

虚血性心疾患の検査と診断 

虚血性心疾患の検査と診断 虚血性心疾患が疑われた場合には、運動負荷心電図検査、ホルター心電図、心臓超音波検査、冠動脈CT検査や心臓カテーテル検査を行います。 
検査結果をもとに、冠動脈のどの部分に狭窄や閉塞があるか、その狭窄度を特定します。 

虚血性心疾患の治療 

虚血性心疾患の治療法には薬物治療、カテーテル治療、バイパス手術があります

薬物治療 

症状の緩和、進行を遅らせるために薬物による治療を行います。
血液をサラサラにしたりして血を固まりにくくするお薬などを使用します。 
一度心筋梗塞を起こしたり、心機能が低下した方には心臓を保護する薬剤も使用します。

カテーテル治療 

手首や鼠径部などの動脈から細いカテーテルと呼ばれるストロー状の機材を挿入し、狭くなった冠動脈を広げて、血流を再開させる治療です。合併症の可能性がゼロではありませんが、非常に低侵襲で短期間の入院ですむ処置です。

バイパス手術 

狭窄したり詰まってしまった冠動脈の先に身体の他の場所から採取した血管を吻合して、先に流れる冠動脈の流れを改善させる手術です。何カ所も詰まっている場所がある場合に治療対象となります。カテーテル治療と比較して侵襲が大きく入院期間も長いですが、治療成績では勝るとされます。